サテュロスの祭典

少女ヌード写真の愛好家です。規制法が緩和され、少女ヌード写真美術復興と新作発表を目指し、果たされた暁には、設定年齢と同年齢の子役起用しての完全ノーカット無修正の実写化目指した小説を執筆します。茶化し冷やかし大歓迎、鋭いツッコミはお手柔らかにお願いします。#少女愛 #少女ヌード #西村理香 #力武靖 #清岡純子

紅兎〜想望編〜独白

「希美ちゃん、お正月、何食べたい?」
和幸は、目を開けると同時に呟いた。
『おーもーち、おーもーち。』
ニコニコ笑いながら答える希美の声が、脳裏をかすめた。
『ペッタン、ペッタンして、食べるー。』
瞼の中で、希美はまたクスクス笑いだした。
『希美ちゃんは、お餅つけないわよ。』
『どーしてー?』
『お餅をつくのは、男の人のお仕事なの。女の子は、お餅つけないの。』
菜穂は、例によって、希美の頭を撫でながら、噛んで含めるように話して聞かせた。
『お餅つくー。』
『その代わり、餡子やきな粉、好きなものをつけて美味しくするのは、女の子の仕事でごじゃる。』
べそをかき出す希美に、朱理が慰めるように言う。
『私と里一さんで、美味しいお雑煮の作り方も教えてあげるわよ!』
由香里が威勢良く言うと…
『俺と茜ちゃんは、お汁粉の作り方を教えてやるぞ!』
『そうだポニョ、そうだポニョ。一緒にお汁粉作るポニョ~。』
政樹と茜が言い…
『うん!おじょーに作る、おちるこ作る!いっぱい作って、赤ちゃん、食べさせてあげるー。』
希美は、満面の笑みで言った。
すると…
『だめだめだめ~!!!!』
朱理が、大慌てで言った。
『赤ちゃんにお餅食べさせたら、喉詰まるでごじゃる~!!!!』
『のどちゅまる?』
『そーでごじゃるよ!赤ちゃんにお餅食べさせたら、喉詰まって死んじゃうでごじゃる~!!!!』
『赤ちゃん…お餅…』
希美が、悲しそうに俯くと…
『サナちゃん、赤ちゃんには、歯が生えて、大きくなったら食べさせてあげようね。』
亜美が、優しく希美の肩を抱いて言った。
『大きくなったら?』
『そう。赤ちゃん、大きくなったら、いっぱいお餅を食べさせてあげようね。それまでに、希美ちゃん、お料理いっぱい覚えて、美味しいお餅食べさせてあげられるようにならないとね。』
『うん!大きくなったら、赤ちゃん、お餅いっぱい食べさせてあげるー。』
希美がまた、満面の笑みで言うと…
『その前に…』
不意に、菜穂が和幸を睨みつけ…
『まず、お父さんにはお酒をきっちりやめて貰わないとね!希美ちゃんと赤ちゃんが大きくなっても、まだ、呑んだくれられたんじゃたまらないわ!』
そう言うと、忽ち爆笑の渦に包まれた。
「辞めても良いよ…」
和幸は、天井を見上げて、またぼんやり呟いた。
「希美ちゃんが大きくなってくれるなら…赤ちゃんが大きくなっても側にいてくれるなら…愛ちゃんもずっと一緒に暮らせるなら、酒くらい辞めても良いよ…」
目の前に翳す両手には、まだ、柔らかな温もりが残っている。
昼間、一日中、胸に抱いていた乳の香りのする赤子の温もりと、甘い果実か花の香りのする希美の温もりと…
何て暖かいのだろうと思った。
この温もりが永遠のものであったなら、どんなに良いだろう…
部屋の外からは、まだ、賑やかな声が聞こえて来る。
和幸をがなりたてる菜穂の声を逃れて行った朱理と希美の声…
散々、説教責めにした和幸を置き去りに、二人を追って行った菜穂の声…
三人を優しく迎える愛の声…
四年前を思い出す。
初めて愛の存在を知った頃…
あの時は、愛が今の希美のような存在となって、部屋を笑いで満たしていた。
最初のうちこそ、和幸が器用にこしらえる、人形の部屋の家具や食器、人形の髪を飾る簪や櫛に、愛と菜穂と朱理の三人揃って目を輝かせていた。愛と朱理は、交代で、あれを作って、これを作ってとせがむのを、菜穂は淑やかな笑みを浮かべて見つめながら、側で人形と人形の着る着物を作っていた。しかし、やがて、菜穂が人形と人形の着物を完成させると、和幸の作った人形の部屋の家具や食器、髪を飾る簪や櫛で遊ぶのに夢中になり、和幸の存在などすっかり忘れ去った。
和幸は、自分などはなからいないかのように、女の子達だけの世界に入って人形遊びに耽る三人を眺めるのが好きだった。
今は、そこに希美が加わっているのだろう。玩具の人形に赤子を加えて…
あの明るい笑い声が、ずっと聞けるのなら、何もいらないと和幸は思った。
しかし…
残された三月の時間のうち、二月目も半分を過ぎようとしている。
もうすぐ、あの笑いも一つ消え、二つ消え…
やがて、全て消え去って行くのだろう…
「平次…そっちは、楽しいか?皆と、仲良くやっているか?」
和幸は、今度は、あの偽りの革命で命を落とした、平次達に呼びかけた。
「コトちゃんに、チョゴリを着せてやったか?伝七、信五、佐七、幾ら平次とコトちゃんに妬けるからって、冷やかすんじゃないぞ。」
返事はなかった。
「タカ、サナちゃんとうまくやってるか?そっちで、二人の子供つくったか?幾ら、アッちゃんがいないからって、乱暴に扱うなよ。トモちゃんに叱られるからな。」
やはり、返事はなかった。
「トモちゃん、美香ちゃんと会えたか?可愛い浴衣や法被、着物をいっぱい着せてやってるか?そっちの祭り、楽しんでるか?」
和幸は、最早、返事を待つ事なく言葉を続けた。
「もうすぐ、希美ちゃんもそっちに逝くぞ。美香ちゃんと希美ちゃんと、二人の子持ちは大変だぞ。
特に、美香ちゃんは大人で優しくてお利口だけど、希美ちゃんは赤ちゃんと同じだからね。
やっぱり、サナちゃんにタカがいるように、トモちゃんには僕がいるだろう。
僕も、希美ちゃんと一緒に、そっちに逝こうかな…」
やがて、部屋の外から聞こえてきた、明るい笑い声も止んで、夜闇に静まり返っていた。
皆、愛と一緒に眠りについたのだろう。
「愛ちゃん、お疲れ様。産んだ赤子の他に、三人の大きな赤子の子守は大変だったろう。」
和幸は、そう呟いて目を瞑り、大きく息を一つつくと、ゆっくり立ち上がった。
「愛ちゃん…
君を、何処にもやりたくない…
あの時、僕だけではなく、みんなに沢山の喜び、思い出、生きる意味を与えてくれた君を、誰にも渡したくない。
百合さんと同じ目になど、合わせたくない…
いや、君だけじゃない。最早、二度と、君やコトちゃん、美香ちゃんのような子達を出したくない。だから…」
和幸は、もう一度、天井を見上げると…
「トモちゃん、美香ちゃんと二人で、もう少しだけ待っていていてね。
愛ちゃんを守りぬいたら…
愛ちゃんのような子を出ないようにしたなら…
希美ちゃんと二人で、そっちに逝くからね。」
固く目を瞑って、そう呟いた。